『 家の相続の登記は、そのままでも大丈夫やと近所の周りがみな言ってたから・・・。』

ご自宅の相続登記は元より、実家の家や田舎の家や物件については、顕著に当てはまるように感じます。

このような、コメントをされる方が多い裏の一つには、法制度の仕組みがあります。

登記制度の根拠となっている法律は、不動産登記法という物です。

その、不動産の登記には、大きく分けて二つの仕組みがあります。

  現況の状況や性質を反映する、 表示登記 の部分

  現況の権利義務の状態を示す、 権利登記 の部分

の二つになります。

そして、表示登記の部分には、登記義務というものが存在します。

そのままで放っておいては、国から過料という罰金が発生してしまう仕組みです。

 

例えば、家を新築した、取り壊した、土地を地目を変えた(田んぼから宅地に)した際は、

放っておいては、過料というものが発生していくことになります。

申請義務というものが存在するからです。

 

不動産登記法 第164条(登記懈怠による過料)

 

第三十六条、第三十七条第一項若しくは第二項、第四十二条、第四十七条第一項(第四十九条第二項において準用する場合を含む。)、第四十九条第一項、第三項若しくは第四項、第五十一条第一項から第四項まで、第五十七条又は第五十八条第六項若しくは第七項の規定による申請をすべき義務がある者がその申請を怠ったときは、十万円以下の過料に処する。

⇒ 条文番号の中身と登記原因具体例は概ね次の通りです。

・建物の新築時に行う『建物表題登記』          例:〇年〇月〇日新築

 ・建物を取り壊した際に行う『滅失登記』          例:〇年〇月〇日取毀

・土地の地目が変更した際に行う『地目変更登記』     例:〇年〇月〇日地目変更  変更後の地目 宅地

・土地の地積が変更した際に行う『地積更正登記』     例:〇年〇月〇日地積更正  更正後の地積 〇㎡

・埋め立てなどにより土地が新たに生じた場合に行う『土地表題登記』    例:〇年〇月〇日公有水面埋立

 

ところが、権利登記の部分には、登記義務というものは、基本的に存在しません。

 

例えば、

所有権を取得した。

抵当権者となって担保を設定する。

遺産で家を相続した。

等々、

権利を取得した人が、登記を放っておいても過料というようなものは原則的に発生しません。

 

それは、自分の権利を守るためには、登記を自らするのが当たり前。

という考え方が前提にあるからです。

 

そして、例えば複数の方が同じ土地を買ったような(取引としては異常な事態の)ケースの場合、

登記を先に取得した人が、最終的には所有権者として認められてしまいます。

 

法の格言で、『権利の上に眠るものは保護しない』という言葉がありますが、

権利の上に眠っては損をしてしまう事になるだけなのです。

(*もちろん二重譲渡した張本人に、代金の返金や損害賠償の請求はできます。)

 

この様な事がわかれば、

一番最初のほうっておいても大丈夫だと思って・・・ というようなコメントが、

少し的を外してしまっているのはわかられるかと思います。

 

・・・実際に、お父様が亡くなられた際に、

おじいちゃん名義のみならず、ひいじいちゃん名義まで出てこられるようなケースもないこともありません。

 

手続をきちんと踏んでいけば、相続登記をしていくことが可能になります。

ただし、すぐ相続登記をされた方々に比べると、時間やコスト、手間といったものが

大きく違ってしまうのはやむをえません。

 

なぜならば、亡ひいじいちゃんの相続人という事になると、樹系図が拡がっていくように、

大きく相続人の数が拡がって行ってしまっているケースが多いからです。

 

上記の例は、少し極端な例になるかもしれませんが、

例えば、亡くなった親の名義を放っておいてしまうと、同じ様な問題が起こってくるのはわかられると思います。

 

このような事がわかった段階で、皆が元気なうちに一つ一つ片づけていってしまう。

個人的には、気づかれた段階で一つ一つ処理されることが一番正解につなっがっていきやすい。

そう感じています。

そして典型的な相続登記についての理解は、されておかれた方が話は早いかと思いますので、

下記にその流れを記載させて頂いておきます。

 

相続登記についての準備(ご本人さんの目線から)

必要書類の準備をする(亡くなられた方=被相続人 について)

戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍等々、亡くなられた方の戸籍謄本を取得。

また、亡き方の住所の変遷を証する書面としての、住民票除票や戸籍附票の取得。

自分たちの必要書類の準備をする (相続人について)

住民票、印鑑証明書といったものの準備が必要となっていきます。

原則、3か月以内のものを取得する必要がある。と理解されてよいかと思います。

また、ご自身たちが、亡き方の戸籍から独立してからの(例えば、結婚されてから等)

戸籍謄本等や、戸籍の附票といったものも必要となる事が多いです。

遺産分割協議をされる (相続人同士での話し合い結果) 

それから、相続人さん同士での話し合いの結果をまとめる必要があります。

遺産に対する相続人全員での話し合いを遺産分割協議といいます。

遺産分割協議内容を反映した書面に、各自が署名捺印をしていきます。

原則、印鑑は実印(3か月以内の印鑑証明書付)と理解されてください。

後々、そんなつもりはなかったとお互い様に言わないようにとの工夫です。

(紛争がある場合は、弁護士先生の出番となります。

 時間がかかることもありますが、法定相続での登記を入れるケース等を除いて、

  原則として相続登記はその解決後になります。)

相続登記の申請をする (不動産のある管轄法務局に提出)

上記、必要書類等を準備されたうえで、司法書士の方から(あるいは勉強熱心な方はご自身で)相続登記の申請を法務局に対してします。

申請受理から申請完了までには、長くても1週間程度です。

相続登記の権利証が無事出来上がります

申請が無事完了されれば、あとは、必要書類等の綴じ込みをさせて頂いて、

相続登記の権利証としてご本人さんの所へ返却させて頂きます。

戸籍関係の資料も、法務局から戻ってきますので(原本還付といいます。)

相続関係資料としてお渡しさせて頂きます。

ご実家や田舎の家・物件を処分・売却されていかれる様な際は、

この『相続登記完了後=相続登記の権利証が出来てから』の作業になります。

 

以上が、大体の相続登記の流れになります。

 

戸籍謄本等や住民票・印鑑証明書等については、銀行や社会保険関係に対しても必要となりますので、

相続登記の分も合わせてとってしまわれるほうが、コストや時間の節約となるかと感じます。

 

また、相続登記に使用される戸籍謄本等の書類に関しては、

原本還付といって、原本の方は法務局の方は返却をしてくださいます。

それを見越して、他の手続きに使用される算段をされてもよいかもしれません。

 

(ただし、原本還付できるできないや、印鑑証明書が相続登記処理期間に3か月すぎてしまう 等々には、気を付けておかれたらよいかと思います。)

 

どちらにしましても、紛争や相続人が多くなっていってしまう前に、

   『 早めの相続登記のご相談を。 』

が賢明です。

 

故人が見られて安心されるような、スムーズに物事が運ばれる事を願っています。

相続登記手続きをご要望の方は、事務所までお気軽にご連絡ください。

ありがとうございました。

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